駄文を弄する

おすすめの小説を中心に紹介しようと思っていましたが、脳内がとんだカオス状態なので内容もそうなっています。

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『一日江戸人』 杉浦日向子

2012/07/05/木/00:00
あくせく働く現代人に心の洗濯入れる一服、『一日江戸人』を読みましたぜ。制度の違う文化を較べてどっちがどうとかは詮の無い話で、良い面悪い面はどっちにもあるってのは重々承知の助のこんこんちきだが、敢えて言おう。

「暑いから仕事しねぇ」で済む社会は素晴らしい、と。

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杉浦 日向子

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何が良いって、あの時代の庶民のゆるゆる具合が実にいい。親子三人でひと月食うのに十日から十五日働けば悠々と暮らしていけるというのは羨ましい限り。独身者なら月に六、七日だけ働けばいいらしい。そりゃあ、「雨が降ったら仕事なんざしねぇ」ってなるのも当然てなもんですよ。

長屋の家賃が四百文で棒手振り(天秤の付いた棒を担いで魚とか売り歩く人。因みに、お冷売ってる人もいた)でも一日働けば四、五百文の稼ぎがあったらしいから、一日働いただけで家賃分の銭ぐらい稼げると。実にいいお話。そういった暮らしを支えてるのは物価の安さがあればこそ。なので現代日本人には叶わぬ夢なのが小憎らしい。

1両を約8万円に換算しているから、江戸時代の中期ぐらいの話だと思う。後期だと1両の値がもう少し安いような。あまり覚えてないが、確か3万円ぐらいだったはず。

読んでて目からウロコだったのが将軍様の暮らしぶり。「殿様暮らし」なんざ、さぞや豪華絢爛で毎日が酒池肉林の贅沢三昧、鯛や平目が阿波踊りで絵にも描けない美しさ、寿司に寿司のせて食ってるよアイツとか思って……すいません、そこまでは思ってません。

が、あそこまでギッチギチとは。詳しい事は書かないけど、俺なら絶対にゴメン蒙ります。嫌です。無理です。そりゃ、将軍も忍び旅をしたり暴れん坊になって成敗するのも頷ける。

しかし、これ具体的に誰の話だったんだろう。流石に徳川の将軍全員がこの通りの暮らしとも思えない。子供もいるし、病弱なあの人などには生活自体が死亡フラグにしか見えないのだが。

第三章に「食」って項目があるけど、これがまたヤバい。時代小説を読んでて滅法美味そうなメシの描写をするのは池波正太郎だと思うけど、こっちはイラスト入りで調理方法も載ってんだもの。特に「揚出大根」がうまそうでうまそうで。「なんとまあおいしい」って作者直筆のコメントもあったし。

他にも相撲や義賊列伝、春画考などなど江戸時代薀蓄がたっぷりで面白かった。特に四章の「傾く」の項、前田慶次郎関連で「傾く」って言葉を覚えた僕は江戸人の「傾き者」を勘違いしていた。ド派手な衣装を着たりはしないのか。

さらりと読めて随分と楽しめる。さらには知識も手に入るという良書。惜しむらくは参考文献が少ない事が玉に瑕ってことぐらいだろうか。

興味のある方は是非読んでみて下さい。そして、読んで次の日に職場の同僚や学校の友達、好きなあの子や素敵な彼にドヤ顔で薀蓄を披露してウザがられればいいのさ。好きなあの子とかにもフラれてしまえ。いや、冗談ですよ。うまくいくといいですネー。ゲハハ。

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