駄文を弄する

おすすめの小説を中心に紹介しようと思っていましたが、脳内がとんだカオス状態なので内容もそうなっています。

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『ロリータ』 ナボコフ 若島正 訳

2010/09/21/火/23:29
前にこの記事でチョロリと書いた『ロリータ』を読了しました。そして、自分の伏線スルーレベルの高さに驚愕しました。ミステリ的に言うならば、フーダニット的敗北と言えますが、とある伏線を回収できていたので個人的には良しとします。まあ、そんな事はどうでもいい事です。

この小説は僕の「ベスト・オブ・今まで名前だけで敬遠してきた事を後悔した小説2010」の座に燦然と輝きました。といっても、昔に読んでいたら第二章の前半が退屈すぎて投げ出していたと思います。それ以前に名前で敬遠していた訳ですが。

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さて、最初から最後まで僕のハンバート・ハンバート氏に対する印象は大して変わるものではありませんでしたが、全体的に散りばめられている諧謔や、比喩表現の巧みさ、所々で入る皮肉(どこぞの英雄みたいな名前の先生に対する当てこすり等)、そこだけでも充分楽しめました。というよりは僕が最大に楽しめたのはそういった部分です。物語りラストのドタバタした悲劇は僕のツボでした。そこはかとなく笑えます。

ところで、「顎十郎」と「紫の上」ってご存知でしょうか?

何故こんな事をいきなり聞いているのかというと、僕が読んだ新潮文庫版の本文に出てきた単語だからです。「紫の上」(意味する所は言うまでもない)は有名ですが、「顎十郎」って。まさかの平安と江戸と戦後アメリカのコラボです。僕は『顎十郎捕物帖』って時代劇がなんかあった気がするな、ぐらいの薄ぼんやりした記憶しかありませんでした。

1950年代のアメリカに暮らすヨーロッパ人の手記には到底書かれていると思えない単語なので原文が激しく気になる所です。

それにしても、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』(同じく新潮文庫)に出てきた「如意棒(含意あり)」とか、「腰巻」とか「猿股」他多数にはかなり乳酸が溜まりました(マキューシオの南無帰命頂礼には笑いましたが)。ナボコフの方だとニヤリとさせられるのはどうしてなのでしょうか。

まあ、確かに道化の持っている棒(含意あり)をそのままカナで表記されても「何ソレ?」って思いますが、その為に注釈があるのではないのかと小一時間ぐらい問い詰めたくはなりました。

この辺りが翻訳の難しさなのだと思います。こちらの言語にない言葉を翻訳するにはせいぜい三通りの方法しかないと思いますし。似た物で代用するか、そのまま輸入するか、新しく作るかのいずれかでしょう。そう考えると14世紀のイタリアに「鬼殺し」やら「托鉢僧」が出てきても、「まあ、いいか」と思えます。

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